株式会社アセラ
農薬通信バックナンバー
農薬通信
2001年1月号『一般』

登録日2001/01/01

|||||ハモグリバエ類の防除||||||
 日本に生息するハモグリバエの仲間は200種以上といわれ、その一部が農作物の害虫となっています。中でも代表的な害虫は、野菜や花に寄生するナモグリバエ、トマトやメロンなどに寄生するナスハモグリバエ、ネギに寄生するネギハモグリバエ等でした。これらは、発生しはじめた頃に殺虫剤を散布すれば、充分防除できる害虫でした。しかし、1990年に静岡県で殺虫剤が全く効かないハモグリバエが発見され、『マメハモグリバエ』であることが確認され、その後、各地に広まっているのはご承知の通 りです。

◆◆◆ ナモグリバエの防除
エンドウ
ダイシストン粒剤(4kg/10a)を播溝散布し、初期の発生を抑えてください。生育期の防除は、幼虫の 被害が出はじめたら、できるだけ早く防除してください。薬剤は5〜7日おきに2〜3回マラソン乳剤(1000 倍)やマラソン粉剤(3kg/10a)を散布するか、アブラムシ類に用いるスミチオン乳剤で同時防除も可能です。
レタス
生育期間の短いレタスは、定植〜結球前の時期に被害をうけることが多く、初期の生育に影響します。 特 に、春まき〜初夏に向けての被害が多く、育苗期を含む早期からの防除が必要です。育苗期にはベスト ガード粒剤(1g/株)を散布し、生育期にアブラムシとの同時防除でトレボン乳剤・マラソン乳剤、ハスモ ンヨトウとの同時防除でアファーム乳剤・カスケード乳剤も効果 があります。
◆◆◆ ネギハモグリバエの防除
ネ ギ
定植時に、ダイシストン粒剤(播種時も可能)やベストガード粒剤(6kg/10a)、ガゼット粒剤(6kg/10a)を土壌施用してください。その後、発生が多い時は、マラソン乳剤やマラソン粉剤を2回程度散布するか、シロイチモジヨトウとの同時防除でのカスケード乳剤も有効です。
◆◆◆ ナスハモグリバエの防除
トマト
ダイシストン粒剤を定植時に株元散布し、早期より防除する。それ以降は、マメハモグリバエに登録のある薬剤で同時防除できます。

◆◆◆ マメハモグリバエの防除
 マメハモグリバエが他のハモグリバエと大きく異なるのは、殺虫剤に対する抵抗性を強力に発達させている点にあります。同系統薬剤の連用を避けるとともに、発生源となる周辺雑草等の防除や、天敵の利用などの化学農薬以外の防除も取り入れていく必要があります。
ナス
定植時にアブラムシとの同時防除でベストガード粒剤、その後は、アファーム乳剤(2000倍)、カスケー ド乳剤(2000倍)を使用してください。アブラムシに登録のあるトレボン乳剤も効果 があった例もありま す。
トマト
早期の防除で定植時にベストガード粒剤を植穴処理し、その後は、アファーム乳剤、トリガード液剤(1000 倍)、カスケード乳剤、オルトラン水和剤(1000倍)を用います。ヒメコバチDIやコマユバチDSといっ た天敵農薬は、発生初期の放飼及び天敵自体に影響のない薬剤選択(事前の防除計画が必要)に留意する必 要があります。
キク 発生初期にベストガード粒剤を株元散布し、その後は、トリガード液剤、カスケード乳剤、カルホス乳 剤(1000倍)を用います。キクは葉の食害が直接商品価値につながるので、特に散布量 を増やしてかけむ らのないよう防除する必要があります。

 すべてのハモグリバエに共通 して、蛹には薬剤の効果はないので、幼虫と成虫の防除をしなければなりません。特に発生の多い時期は、生育ステージ(成虫・卵・幼虫・蛹)がバラバラなので、1週間おきに3回程度、定期的な薬剤散布が必要となります。また、マメハモグリバエについては、抵抗性がつきやすいので同一薬剤の連用はしないことも大切です。

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