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2002年11月号『果樹』

登録日2002/11/15

||||||| モモのせん孔細菌病にキンセット水和剤80 |||||||

 せん孔細菌病は古くからももの重要病害として知られています。 果樹に発生する病害の多くは糸状菌(カビの仲間)の寄生によるものですが、本病はそれらとは異なる細菌(バクテリア)の寄生により発生します。

 せん孔細菌病の防除は休眠期防除(収穫後の秋防除含む)と生育期防除に分けられますが、収穫後秋期および春季発芽前のボルドー液散布が本病防除の基本となります。 特に秋季散布により病原細菌を樹体上で翌年に持ち越さないようにすることがポイントとなりますので、1回目の秋季防除は9月中旬の落葉前から始めてください。

 キンセット水和剤80は有機銅と無機銅の混合剤で、ボルドー液の代わりにせん孔細菌の休眠期防除に使用できます。 これまでの事例ではボルドー液との比較で、散布回数による効果差はありませんでした。


< キンセット水和剤80 果樹での登録 >  有効成分:有機銅60.0%、無機銅20.0%
作物名
適用病害名
希釈倍率
使用時期
使用回数
使用方法
もも
せん孔細菌病
1,000倍
収穫後〜開花直前
5回以内
散 布
ももの他おうとう、りんご、かんきつ、麦類、ばれいしょ、たまねぎ、だいこん、にんにくに登録があります。


< 特 長 >
  • 植物の表面に微粒子として付着させ、外部からの病原菌の侵入を防ぎ作物を保護します。
  • 連続散布しても耐性菌を生じる恐れがありません。
  • かぶれの心配がありません。
  • 水和剤のため持ち運びが楽で、ボルドー液のように調合に手間がかかりません。


< 使用上の注意 >

  • ももで使用する際、開花から8月末までは薬害の恐れがあるため使用しないでください。
  • 収穫後の秋散布に使用する際には薬害軽減のためクレフノン100倍を加用してください。 秋散布時のクレフノン加用については手間の問題等ありキンセットの散布自体敬遠されがちですが、クレフノンを加用しなくても薬害として実害とならない時期の確認、クレフノン以外の展着剤利用による薬害軽減については現在試験中です。
  • 春季開花前の散布時にはクレフノンは必要ありません。
  • 石灰硫黄合剤、ケルセン乳剤との混用は避けてください

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