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農薬通信
2003年5月号『果樹』

登録日2003/05/24

|||||| カキノヘタムシガ防除 ||||||

 カキノヘタムシガは別名カキミガ、カキミムシ、ヘタムシなどと呼ばれカキの果実や芽を食害し、その幼虫はカキの果実を落果させるだけでなく食害された芽は枯死して翌年発芽しない等、カキの重要害虫となっています。 


< 生 態 >

  • 樹皮の割れ目、枝の分枝部分等に老熟幼虫で越冬し4月下旬頃より蛹化、5月中下旬頃より越冬世代成虫が発生する。 
  • 卵は芽、葉、果実、果梗の付近に産み付けられ(地上1〜2m位の高さが多い)、産卵からふ化までの期間はおよそ1週間。
  • 第1世代の幼虫期間は約1ヶ月で、樹皮の割れ目や被害(食害された)果実の中に白っぽい繭を作り蛹になる。
  • 蛹から10日前後で羽化し、第1世代成虫は7月中下旬頃から見られるようになる。 第1世代成虫の発生期間が長くなると、それにつれて第2世代幼虫の発生期間も長くなり、被害も収穫期まで長く続くこともある


< 一般的な発生および防除時期 >


< 防除薬剤 >

薬剤名
系統
希釈倍数
使用時期
使用回数
使用方法
トクチオン乳剤
有機リン
1,000倍
収穫75日前まで
2回以内
散布
スミチオン乳剤
有機リン
1,000倍
収穫30日前まで
3回以内
パダンSG顆粒水溶剤
IGR
1,500〜3,000倍
収穫45日前まで
4回以内
ラービンフロアブル
カーバメート
1,000倍
収穫14日前まで
3回以内
アディオン乳剤
合成ピレスロイド
2,000〜3,000倍
収穫7日前まで
5回以内
モスピラン水溶剤
ネオニコチノイド
2,000〜4,000倍
収穫7日前まで
2回以内
ガードジェット水和剤
BT
1,500倍
収穫7日前まで
4回以内


< 防除のポイント >

  • ふ化幼虫が果実を食害する前(芽を食害しはじめた時期)に1回目の防除を行う
  • 幼虫は果梗部やヘタ部から食入するので、芽、果梗部、ヘタには特にていねいに散布する
  • 第1世代、第2世代とも幼虫発生期に1週間から10日間隔で追加散布すると効果が高い
  • 果実内部に食入してしまった幼虫には効果がないため、防除時期を逃さないよう注意するとともに、被害果は直ちに摘み取って処分する。
     
    ※ 実際の使用にあたっては登録内容を守り、注意事項を確認の上ご使用ください。
     また、初めてご使用になる際は最寄の普及センター、JA等の指導機関にご相談ください。

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