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農薬通信
2003年7月号『果樹』

登録日2003/07/08

||||||| ハチハチフロアブル登録のお知らせ |||||||
 
  ハチハチは本通信の平成14年6月号でもご紹介したとおり、新規化合物トルフェンピラドを有効成分とする新規殺虫剤です。
 薬剤名は試験番号OMI-88に由来し、三菱化学(株)と大塚化学(株)の2社共同開発により平成14年4月24日に「ハチハチ乳剤」として登録されました。
 ハチハチ乳剤はアブラムシ類、アザミウマ類、コナジラミ類、マメハモグリバエ、サビダニ、ホコリダニなどの幅広い害虫に高い効果を示し、野菜場面の害虫防除剤として使用されています。
 今回ハチハチが果樹用に「ハチハチフロアブル」として新規登録されましたのでお知らせします。

< 特 長 >

  • なし及びかんきつのアブラムシの種類に関係なく、全てのアブラムシに対して優れた効果を示します。
  • 既存の殺虫剤(有機リン系、カーバメート系、ピレスロイド系、ベンゾイルウレア系、ネオニコチノイド系)とは全く異なる新しいタイプ(ピラゾール系)の殺虫剤であり、ローテーション防除の1剤として有効です。
  • 近年増加傾向にあるなしのニセナシサビダニ、かんきつのミカンサビダニに対して卓効を示します。
  • ハチハチは食毒としての作用よりも接触での作用を中心として効果を発現します。

< 作用メカニズム >

 ハチハチの作用機構はミトコンドリアにおけるエネルギー代謝系の電子伝達の構成成分のひとつである複合体Ⅰ(ミトコンドリア内膜で最も大きい酵素の集合体)の阻害と考えられます。
 ピラゾール系の殺ダニ剤としてはダニトロン、サンマイト、ピラニカ等が知られていますが、殺虫剤としては新規な作用点といえます。



< ハチハチフロアブルの適用害虫及び使用方法 > トルフェンピラド 15.0%(劇・C類)

作物名
適用害虫名
希釈倍数
散布液量/10a
使用時期
本剤及びトルフェンピラドを含む農薬の総使用回数
使用方法
なし
アブラムシ類
ニセナシサビダニ
2,000倍
200〜700L
収穫14日前まで
2回以内
散布
かんきつ
アブラムシ類
ミカンサビダニ
収穫前日まで

 

< 上手な使い方 >

  • アブラムシ類
    成虫及び幼虫に対して速効的に作用しますが、茎葉に寄生した状態で死亡するため、生死の判断は数日後に行ってください。
    浸透性を有しない薬剤のため、充分な散布液量で散布ムラのないように散布してください。

  • ニセナシサビダニ、ミカンサビダニ
    成虫及び幼虫に対して速効的に作用し、優れた効果を示します。
    浸透性を有しない薬剤のため、充分な散布液量で散布ムラのないように散布してください。

    ※実際の使用にあたっては登録内容を守り、注意事項を確認の上ご使用ください。
      また、初めてご使用になる際は最寄の普及センター、JA等の指導機関にご相談ください。

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